ABOUT

兵庫県丹波市で、江戸時代から家族で農業を営んできた婦木農場。
田畑を耕し、牛や鶏を飼い、小規模循環型農業を実践し、美しい里山を守ってきました。

2015年、長男敬介が出会った北海道十勝の「さらべつチーズ工房」での経験を活かし、
自家製ミルクを加工したチーズ造りを開始。
丹波チーズ工房という屋号を掲げました。

土づくりから草を育て、毎日お乳搾り、チーズを作ります。チーズ作りは、師匠の教えを忠実に守り、自家培養の乳酸菌を使い、時間と手間を惜しまず製造しています。

1年以上熟成させるハードタイプの「蔵熟成ゴーダ」は2021年のALLJAPANナチュラルチーズコンテストにおいて最高賞となる農林水産大臣賞を受賞し、日本一となりました。
イギリスで開催されたワールドチーズアワードにおいて、ブロンズ賞も頂戴しました。

———————————————————

2023年の秋から、新しい取り組みとして、畑を利用した子牛の放牧をスタートしました。

近年の日本の酪農情勢は厳しく、為替相場や世界情勢により、牛の飼料価格が約2倍に跳ね上がりました。経営の大部分を占める飼料価格の高騰は業界に大打撃を与えました。
自社農場でもエサを作ってはいますが、賄いきれる量ではないので、私達も経営的に大きな影響を受けています。近所の酪農家さんも悲鳴を上げており、廃業の話も聞こえてきます。古くなった牛舎の新設計画は吹っ飛び、どうすれば牛飼いとチーズ作りを続けられるのかと悩みました。

そんな時に思い出したのが、先代のお爺ちゃんが言っていた「放牧したい」という言葉です。雄大な土地を持つ北海道ではよく見る光景ですが、ここは丹波の狭い里山で、しかも段々畑の中山間地です。できるのかは不安でしたが、もうそれしか道はないと思いました。

すぐに島根にいる友人の放牧場を見学に行きました。急峻な山を切り開いて、牧草の種を蒔き、牛が歩き回っていました。草の芳醇な香り立つミルクも魅力的で、これなら丹波でもできると確信しました。

家の裏の荒れ始めた田畑や、未間伐の暗い山を開き、草を育てて牛を放ち、これまで培った技術でチーズに加工する。
私達はこれを「里山酪農」と呼び、日本の酪農業界の新しい未来を拓くロールモデルを目指します。

丹波の豊かな里山で家族と暮らし、次世代へ継承していくために。

応援よろしくお願いします。